デジタルシネマ第1回 序章 デジタルテクノロジーの恩恵

第1回 序章 デジタルテクノロジーの恩恵

現在の映像を取り巻く環境

現在はほとんどの生活がアナログからデジタルへ移行しています。そんなデジタルネイティブの時代を改めて見直してみると、私たちは、映像を自分たちの周りを取り巻いているどのような環境で見ているのでしょうか?

インターネットで動画を見る(ストリーミング)
動画をダウンロードして見る(ダウンロード)
動画をスマホで撮影(メモリー蓄積)して、動画サイトに投稿する(アップロード)
テレビを視聴する(放送の受信)
テレビ番組をあとで見る(オンデマンド)
テレビを録画して見る(レコーディング)
映画を映画館で見る(鑑賞する)
映画をDVDやBDで見る(パッケージ)
映画をオンラインで見る
 

そもそも映像って何?

私たちが日常生活を送る際に映像というのはどこにあるのでしょうか?

映画(映像)は元々フィルムに定着された画像の事でした(過去)。
その歴史は写真の歴史に遡ります(1840年前後)
そして写真を単に静止画ではなく、連続写真と捉え、絵をコマ撮りをするアニメーションと実写を連続して撮影する映画=シネマトグラフ、モーションピクチャーに分かれていきました。この辺りの話は、追々話をしていきます。私たちは、フィルムからデジタルに変わり、そのデジタル情報社会の中で古き良き伝統をどのように伝えようとしているのでしょうか。映画の歴史の中にはそんなアナログからデジタルへの変革の歴史を見ることができます。デジタルシネマの歴史たかだか15年、映画の歴史約120年から見ればまだまだ始まったばかりの出来事です。今はまだフィルムのトーンを追いかけていますが、下手をするとあと10年もすればフィルムという技術さえ顧みない時代やデジタルの技術革新が行なわれているかもしれません。

この講義では、映像の歴史を映画という観点から見ていきます。映画がどこから生まれ、その次の時代にテレビや、パッケージがどのように生まれていったかを指し示します。また、マスメディアに代わる新しいメディアの台頭も語っていきます。90年代の末から映画界でもデジタルの変革が始まりました。それによって最初は僅かではありましたが、その後一気にデジタルへの大変革が始まったのです。

私たちはデジタル化が進む中でデジタルの恩恵をどのように受けていると思いますか?

デジタルテクノロジーによって私たちの生活はどのように変化したのかを考えてみましょう。

まずは
デジタルになる以前の生活を考えてみましょう。
デジタル以前 B.D.(Before Digital)
アナログの時代です。映像はフィルムで撮影されていました。

フィルムの特性とは?
フィルムの質感はどのような特徴があるのでしょうか。
フィルムは

映像におけるデジタルの恩恵には次のような事が考えられます。

1 Degradation 劣化がない、複製コピーが容易、可能
2 Tranformation フォーマット変換、色変換が可能
3 Security 暗号化による違法コピーや海賊版の排除が可能
4 Performance プリント費用がなくなることにより配給や上映システムが劇的に変化し、コストダウンにつながる

デジタル情報で記録、保管するということは基本的にデータの消失(ロスト)や経年による劣化などの状態の変化がないということです。そのため
ただしフィルムの特性として熱や火などに弱い一方でシンプルな同じ記録状態で保持することにより、長期に渡って記録再現が容易に出来るという利点も上げられる一方でデジタル情報が記録媒体や再生ハード自体のメカニカルな部分や記録方式の保持というデジタル特有のジレンマも抱えています。例えばデジタル記録されたMDプレイヤーやフロッピーディスクも再生や読取りのハードがなければ全く意味を持たなくなります。

これからいよいよデジタルシネマの創世を話していこうと思いますが、その前にデジタルシネマに欠かせない要素を説明しておきたいと思います。

映像の制作工程ワークフローの変遷

今までのフィルムによる映画制作の工程、あるいは上映の工程は、フィルムを中心に極めてシンプルな流れをしていました。フィルムで撮影され、現像、プリント、そのままフィルムで上映という流れです。

(フィルム時代のワークフロー)
撮影⇒現像⇒合成⇒編集⇒プリント(複製)⇒上映

これがデジタルシネマの時代に入ると複雑になっていきます。そこで映画の制作工程を次の要素として捉え直しておきたいと思います。

(デジタル時代のワークフロー)
撮影⇒収録⇒合成⇒編集⇒複製⇒流通⇒上映

デジタルシネマの定義

デジタルシネマの定義としては、映像の制作工程のどこかの段階でアナログ(フィルム)に代わるデジタルの要素がはいってきたら、デジタルシネマと呼んでいます。ただし過渡期においてはフィルムからビデオのオフラインへの移行の時代があったので、その時代はデジタルシネマとは呼ばない事とします。(フィルムからビデオの時代参照のこと)

 
(以下未整理)
ODS(Other Digital Stuff)
映画以外の興行、コンサートや演劇、スポーツ中継など 2012年1年間に上映されたODSは全国で190作品

VPF(ヴァーチャル・プリント・フィー)
米イーストマン・コダック 2013年1月倒産
富士フイルム 2013年3月撮影上映用35mmフィルムの生産修了

「ワイドレンズ: イノベーションを成功に導くエコシステム戦略」
著者: ロンアドナー

「イメージの進行形―ソーシャル時代の映画と映像文化―」
ゼロ年代批評の到達点にして、新たなる出発点
著者 渡邉 大輔


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