シナリオとは?

シナリオは
「柱」「ト書き」「セリフ」で構成されます。

「柱」(Headline)は、
そのシーン場面の舞台となる場所を指し示します。これはカメラを置く場所(撮影場所)ではなく、登場人物が行動している場所と考えてください。つまり場面の場所は公園だとしても、カメラは遥かに離れた反対側の丘から撮影しているのかもしれません。「柱」は、シーン(登場人物)の位置、時間帯の順に書き記します。最初に◯を書き、ひとマス空けて場所、時間を記します。

例)
◯ ユウスケの家・玄関 (朝)

のようになります。また、特殊な「柱」として 回想、想像、夢などのシーンもあります。

「ト書き」(Narrative Description)は、
もともとは歌舞伎用語です。歌舞伎の脚本では、古くから役者の動きや音楽を指定するために、“ト振り向いて”や“トやって来る”のように書かれていました。 映像シナリオにおけるト書きは、行の一番上から3マス空けて、人物の動作やそのシーンの状況を具体的に書き記します。 ここで一つ注意して頂きたいのは、ト書きは常に現在の状況を書き記さなければならないという点です。ですから現在形で書くのが原則です。

例)
◯ ユウスケの家・玄関 (朝)
   ユウスケがパンをくわえながら、あわてて玄関を出て行く。  

「セリフ」(Dialogue)とは、
文字通り登場人物が話す言葉を指します。 セリフは、行の頭に登場人物の名前を書き、その下にカッコを書いてその内容を書きます。セリフが長くなり、改行する場合は2行目からは段落を1マス空けて下さい。続けて上から書くと読みにくくなりますからね。 また、“!”や“?”などの感嘆符の後も1マス空けて下さい。 セリフの最後の丸“。”は省略して下さい。 これらは、全てシナリオを読みやすくするためのルールです。

例)
◯ ユウスケの家・玄関 (朝)
   ユウスケ(17)がパンをくわえながら、あわてて玄関を出て行く。 
ユウスケ「やべえ、もうこんな時間!」

通常のセリフ以外に、“モノローグ(monologue)”と“ナレーション(narration)”というものがあります。モノローグは、声には出さない心の声です。 ナレーションは、第3者的に画面外から聞こえてくるセリフ、神の声を指します。登場人物の一人がナレーションを担当する場合もありますし、ストーリーには絡まない第三者がナレーターを担当する場合もあります。 モノローグ、ナレーションは、名前の後にカッコを書き、その中にM、Nと書き込んで下さい。

モノローグ(独白)
「オレは、ユウスケ。高校2年生だ。」(M)(独)
ナレーション
「彼はユウスケと言う高校2年生。」(N)(ナレ)
テロップ(字幕)
「メインタイトル」(T)

それ以外にも
(回想)回想シーン F.I. フェードイン F.O. フェードアウト O.L. オーバーラップなど

シナリオ実例(カット割り/絵コンテ用として)

実例1)
課題としてのキーワード 学園もの。友人との登校時の何気ないひとコマ。コミカルな状況。

登場人物 ユウスケ(主人公17才、高校生)、タカシ(高校生17才、ユウスケの悪友)
学校の正門で登校時に出くわす

◯ 学校の正門の前 (朝)
   ユウスケ(17)が、遅刻しそうになりながら走ってくる。そこへ友人のタカシ(17)がちょうど出くわす。 
タカシ 「おう、おはよ!」
ユウスケ「おう」
   タカシが鞄を頭に当てようとしたのをよけながら、ユウスケはそのまま正門に駆け込む。生徒指導の教師が正門の扉を閉める。
ユウスケ「セーフ」
タカシ「ぎりぎりセーフ。一限の木下、課題やって来たか!?」
ユウスケ「あっ、」
   ユウスケは立ち止まり、少し天を仰いで、ため息まじりに呟く。
ユウスケ「アウト」
シナリオ課題1「登校の朝」

カット割り(例)
S01_C01 学校正面情景 登校する生徒たち 3″+00f
S01_C02 正門カメラヒキ(内側から) ユウスケが奥から駆けて来る  3″+00f
S01_C02 正門外カメラやや俯瞰後ろからフォロー ユウスケにタカシが近寄ってくる  2″+00f
S01-C03 正門ヨリ(外から) 小走りユウスケの背中姿MS 2″+00f
S01_C04 鞄の逆光よぎるUP                1″+00f
S01_C05 ユウスケ(正面)UP 横を見て         0″+15f
S01_C06 ユウスケMS チョイとよける         1″+00f
S01_C07 タカシのUP 逆光で「おはよ!」       1″+00f
S01_C08 ふたりでそのまま駆け込む2ショット      1″+15f
S01_C09 門が閉まる俯瞰               1″;00f
S01_C10 2ショットUP「セーフ」            1″+00f
S01_C11 タカシUP正面「ギリギリセーフ、」      2″+15f
S01_C12  ユウスケ顔UP タカシ「一限の木下、課題やってきたか?」5″+00f
S01_C13 2ショット ふたりフリーズして、          1″+00f
S01_C14 ユウスケUP驚き あっ                 1″+00f
S01_C15 空のみ (ユウスケ声)「アウト」           2″+00f

課題例
男女の出会いを少しコミカルに描く。そのままラブコメに発展しそうなスタイル。
登場人物 ユウスケ(主人公17才、高校生)、ミチヨ(16才、高校生)、女子高生(16才、ミチヨの友人)
自販機の前で飲み物を買っている時にぶつかり、二人が出会う

実例2)
◯ 電車のホーム (夕方)
   ユウスケ(17)が電車から降りてホームを歩いている。前の自販機で女子学生ふたりが飲み物を選んでいる。 
女子学生「どれどれ、早く!ミッチ」
ミチヨ 「えー、」
   ミチヨが迷っている間に、女子学生が飲み物のボタンを押す。ガチャンと飲み物が落ちてきて、ミチヨはそれを取ろうとかがむ。ちょうど通りがかったユウスケにかがんだミチヨのカバンが軽く当たる。
ユウスケ「いてっ」
ミチヨ 「あっ、ゴメンなさい」
   ミチヨが向き直った時に取った飲み物を差し出す形になって、ユウスケも差し出した飲み物を反射的に受け取ってしまう。
ミチヨ 「あっ、それは。そうじゃなくて」
ユウスケ「オレ、炭酸系がいいんだけど」
   ユウスケは差し出された飲み物をミチヨに返す。
ミチヨ 「あっ、ありがと」
シナリオ課題2「ホームでの出逢い」


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