デジタルシネマ第7回 歴史その6 RED DIGITAL

デジタルシネマ第7回 RED DIGITAL

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RED DIGITAL社
HDの流れからデジタルシネマの2大潮流、SONYとPanasonicのメーカーが24P対応のカメラを出し、その後The Viper、DALSA、ARRI D20とスーパー35mmRaw2Kで落ち着いたかに見えた市場に突然新たな強敵が現れました。2005年に新規参入したジム・ジャナードが率いるRED DIGITAL社の開発したRED ONEが2008年に登場しました。そもそもジム・ジャナードという人物は、「オークリー (Oakley) 」というサングラスメーカーの創始者だった人物です。彼は自分の会社を売り、新しいデジタルカメラを開発するRED DIGITALという会社を設立しました。ジャナードは当時のデジタルシネマ市場に納得がいかず、自ら新しいデジタルシネマカメラを開発することを選んだのでした。
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RED ONEの登場

RED ONEはこれまでの常識をすべて覆した新しいジャンルのデジタルカメラでした。何が違うのかというと当時のHDカメラ陣営はSONY,ARRI,Panavisionの3社でそれぞれがF900, F23, D20, Genesisを世の中に出していたが、2/3″ 3-CCD、2.1メガピクセルのセンサーと3:1:1のサブサンプリングビデオの色空間を持ち、フレームレートも30fpsどまりでした。それに対してRED ONEは12メガのスーパー35mmシネサイズと同じthe Mysteriumと呼ばれるCMOSセンサーを持ち、4Kの解像度(4520×2540)と120pfsまでの撮影が可能で、12bitのRawダイナミックレンジの色空間を持っていました。その上、フィルムカメラのPLレンズと同様の被写界深度を実現しました。それまでのデジタルシネマカメラがビデオカメラの延長上で開発されていたものをフィルムムービーカメラの持つ特性を徹底的に追求するカメラを実現させたのです。価格は当時17500ドル。

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Red Digital Cinema – Showreel

ピーター・ジャクソンがRED ONEのプロトタイプを使って撮影した『Crossing The Line』
2007年3月に開催されたNAB Showで公開

2011年、RED DIGITALは次の製品を出します。それがRED EPICとRED SCARLETの2製品です。

RED製品
RED ONE 4K
RED EPIC
RED SCARLET 5K
RED SCARLET DRAGON 6K

RED DRAGON

REDがもたらしたもの
REDのもたらした影響は技術的なスペック以外にも非常に大きなものがありました。
それは、それまで1000万前後したムービーカメラの値段を本体価格200万前後まで安くしたことでした。これによって、シネマカメラメーカー、特に大手と呼ばれるところは衝撃を受けます。また、このことは今まではリースやレンタルでしか使用することができなかったカメラマン、プロダクション、撮影部がカメラを所有することにも繋がります。またスチルカメラマンにとってもムービーカメラを使ってスチルを撮る可能性を見出すことになります。REDが『DSMC』というDigital Still and Motion Cameraのコンセプトのもと生まれたこともそのことと関連しています。


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