映像メディア基礎講座第4回  映像の属性 横軸 fpsについて

映像には、そのものが持っている属性があります。その属性を明らかにしていきたいと思います。題して映像の属性についてです。

映像の横軸

映像と写真は何が違うのでしょうか?

写真は被写体のあるいは風景のある一瞬を切り取ったものです。ですので、視覚の瞬間を捉えたもの切り取ったものと言えます。

映像には写真と違って時間の概念があります。映像の時間はどのように表現するのでしょうか?

映像は写真の連続

エドワード・マイブリッジという写真家が連続写真で動きを記録しました。当時はまだ映画という概念はありませんでしたが、これが映像の原点と呼ばれています。

fpsという概念

fpsという言葉を聞いたことはあるでしょうか。fpsとはFrame Per Secondの略で一秒間にどれだけのフレームを撮影または再生すればいいかということです。フレームレート(Frame Rate)という場合もあります。このfpsを使いこなすことによってさまざまな映像を作り出すことが出来ます。

ではfpsの違いによって映像はどのように見えるのでしょうか?実際にさまざまなfpsで見てみましょう。

まずは再生のfpsを変えて見てみましょう。

6fps

12fps


16fps

20fps

24fps

30fps

60fps

6-12-24-30-60fpsを通しで


120fps

240fps

映画、TV、ゲームのfpsは?

このように見てみるとだいたい16-20fpsを過ぎたあたりから動きがスムーズになって来るのが分かると思います。

実際には初期の映画は16から20fps、現在の映画は24fpsです。一方、TV放送は30fpsで、最近のゲームや4K映像などには60fpsのものも出てきています。fpsが高いほど動きがスムーズに見えますが、それだけデータ量やハードの負荷はあがります。また、fpsが上がることにより”生っぽい”(ヌルヌルして気持ちが悪い)という意見もあり、一概にfpsを上げれば良いとは限らないようです。

上記の規格以外にも

ショウスキャン

HFR(High Frame Rate)

と呼ばれる新しい規格も出てきています。

ショウスキャンはダグラス・トランブルが開発した70mmフィルムの60コマ(fps)85年の筑波科学博覧会で発表されました。

ハイフレームレート High Frame Rate(Film)

HFRはピーター・ジャクソンが映画『ホビット』三部作(※注)で用いた。3D映画としてRED2カメラ48fpsで撮影、上映もHFR特別上映されました。
(※注)
第1部 『ホビット 思いがけない冒険』(2012 The Hobbit: An Unexpected Journey)
第2部 『ホビット 竜に奪われた王国』(2013 The Hobbit: The Desolation of Smaug)
第3部 『ホビット 決戦のゆくえ』(2014 The Hobbit: The Battle of the Five Armies)

タイムラインとタイムコード

編集ソフトや合成ソフトでは時間を時間軸で表します。これを『タイムライン』と呼びます。タイムラインは時間の経過や時間の範囲(Duration)を表します。

タイムライン上での時間の目盛りは「タイムコード」という尺度を用います。

タイムコード Timecode
合成や編集では必ず時間を扱います。映像の時間の単位は、私たちが日常で使っている『時』『分』『秒』と『秒』より小さい単位として『フレーム』を使います。

00:00:00:00

同じ10秒でも24fpsと30fpsでは、トータルフレーム数は違ってきます。
24fps x 10秒 = 240フレーム
30fps x 10秒 = 300フレーム

タイムコード 24fps

タイムコード 30fps

撮影と再生のfpsについて

通常、fpsは撮影時と再生時に同じフレーム数を用いるのが普通です。ですがfpsを変えることによって面白い効果が得られます。

次はfpsの違いによる効果について説明します。

シャッタースピードについて
タイムラプス
ハイスピード

さて、では撮影と再生時のfpsの違いからどんな映像を創り出すことが出来るのか見ていきましょう。

撮影fps > 再生fps

これはハイスピード、スローモーション撮影と呼ばれるものです。

現在のデジタルカメラは撮影センサーの感度が向上してスマホでも240fpsでの撮影が可能になっています。つまり、映画であれば10倍スロー、テレビでも8倍スローが可能なります。

10,000fps!? – The Slow Mo Guys

Adam Magyar “Stainless -Alexanderplatz-”

Adam Magyar – Stainless, Alexanderplatz (excerpt), 2011 from Adam Magyar on Vimeo.

Adam Magyar “Stainless -Shinjuku-”

Adam Magyar, Stainless – Shinjuku (excerpt) from Adam Magyar on Vimeo.

TV-CM イオントップバリュー”ピースフィット”

撮影fps < 再生fps

微速度撮影、間欠撮影、タイムラプスなどと呼ばれます。

TOKYO 2013 4K time lapse

fukushima miharu takizakura 福島県三春町滝桜

ハイパーラプスと呼ばれる新しい撮影方法やスマホアプリも出てきて手軽に移動しながらタイムラプスが撮影出来るようになってきています。

Yokohama Hyperlapse 4K / 横浜 ハイパーラプス JAPAN

Dubai Flow Motion in 4K – A Rob Whitworth Film

それ以外にもfpsを意識することで

タイムスライス、マネキンチャレンジなどの新しい映像表現方法が発明されています。

まとめ

映像というのは視覚を切り出して時間と空間を駆使しながら新たな解釈を盛り込めるようにしたものである。

しかし、近年はVRの技術も入り今までの映像の修辞では済まなくなってきている。


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