先端映像表現技術論第11回 モーショングラフィックス

モーショングラフィックスとは

写真、イラスト、文字、図形、記号などの本来動きのなかった静止したグラフィックデザインをアニメーションとして動かし、音楽や効果音などと連動させる映像表現のひとつです。最近では静止画を動かすだけではなく、3DCGによるアニメーションの組み合わせも含めるようになってきています。
ドラマや映画のタイトル、TV局のステーションロゴ、番組のキュー、CMの企業CIなど。近年ではミュージックビデオなどでも用いられている。

モーショングラフィックスが発展した背景としては19世紀末~1900年代の新しい抽象画デザイン、美術史的にはフォービズム、キュービズムやダダイズムなどがあります。

そして1930年代には映画におけるトーキー(音声)の発達があります。サイレント映画から一転、映画に音楽や音声が合わせることが可能になり、単にセリフを言わせるだけではなく、音楽やリズムで映像を表現する手法が試みられました。ノーマン・マクラレンとかオスカー・フィッシンガーが実験的な映像を作りました。

 

Norman McLaren Dots (1940)

Norman McLaren Synchromy (1971)

Oskar Fischinger An Optical Poem (1938)

グーグルも彼の功績を讃えて特別サイトを作っています
GOOGLE DOODLE : Oskar Fischinger’s 117th Birthday

ソール・バスというソール・バスはグラフィックデザイナーです。でもその活躍の範囲は企業CIデザイン(いわゆる企業ロゴ)や広告デザイン、映画タイトルまで広いです。

ソール・バスは今から60年以上前に活躍したグラフィックデザイナーです。その活躍の範囲は企業CIデザイン(いわゆる企業ロゴ)や広告デザイン、映画タイトルまで広いです。
例えば、企業CIであれば、

など今でも色褪せないで使われているデザインがあります。

有名な映画のオープニングタイトルであれば、ヒッチコック監督の『北北西に進路を取れ』『めまい』『オーシャンズ11』などがあります。

『北北西に進路を取れ』(1959)

『めまい』 (1958)vertigo start titles

『オーシャンズ11』(1960) Saul Bass title sequence – Ocean’s Eleven

グラフィックデザインとしてもシンプルですが、デザインのモチーフアイディアとして参考になると思います。

60年代にはいるとテレビやビデオと云うアナログの電子機器が出始め、オシロスコープや波形を基本とする幾何学のアニメーションが実験される。これが今日のCGアニメーションの原型とされている。CGの先駆者として有名なジョン・ウィットニー(John Whitney)によるCG映像と音楽を融合させたデジタルハーモニーという概念が提唱されます。
John Whitney Catalog (1961)

70年代にはビデオ編集が進み、Abekasと呼ばれるデジタルディスクレコーダーやDVEと呼ばれるビデオ加工システムにより立方体や球体に複数の映像を変形し、マッピングした効果を表現することが可能になりました。80年代は3DCGが使われ始めて、ステーションロゴと呼ばれる番組タイトルや、CM前のアイキャッチタイトルが大量に作られた。80年代後半には英QuantelのHarryやHenryと呼ばれる2Dペイントシステムや合成システムの台頭が挙げられます。

そして90年代にはいり、映画のタイトルデザイナーとして名を馳せたカイル・クーパーが出てきます。デジタル機器を使いこなす新しいグラフィックデザイナーです。
何と言っても『Se7en(セブン)』で名を馳せたと言って良いかと思いますが、それ以外でも有名なタイトルを手がけています。
映画『se7en セブン』(1995) OPタイトル byカイル・クーパー

シャーロック・ホームズ Sherlock Holmes (2009年)エンディングクレジットタイトル

D.N.A./ドクター・モローの島 The Island of Dr. Moreau(1996年)

ミミック Mimic(1997年)

スポーン Spawn(1997年)

スパイダーマン2 Spider-Man2(2004年)

スパイダーマン3 Spider-Man3(2007年)

ゴジラ FINAL WARS Godzilla Final Wars(2004年)

カイル・クーパーのインタビュー映像
Kyle Cooper interview on title design: Part 1/2

Kyle Cooper interview on title design: Part 2/2

デビッド・フィンチャー監督『パニックルーム』(2002)のオープニングタイトル 『北北西に進路を取れ』と同じようなビルのパースを利用してCGで仕上げている

デビッド・フィンチャー監督の他の作品
『ゾディアック』 (2007)Zodiac Opening Titles

MK12 // Stranger Than Fiction: Opening HD

MK12 // Stranger Than Fiction: End Titles HD

日本映画のオープニングタイトルも見てみましょう!
これも凝ったタイトルワークの『踊る大捜査線THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ!』 オープニング

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 オープニングTV特別公開版

メモ
国内の動きとしてはそれまで工学系エンジニアの領域だった
ニコニコ動画上ではNiVEが開発

動画である映像表現と、静止画のグラフィックデザインの中間に位置する、あるいは両者の性質を併せ持つ表現方法だと言える。

映像作品単体と知ってはなじみが薄い人でも、テレビのCMのアイキャッチの動く企業ロゴや、ニュース番組のスタイリッシュなテロップなどでそれとなく触れる機会は多い。静止画MADも広義ではモーショングラフィックスの一部と見ることができるなど、PVの一部分として、また他の映像表現との組み合わせとして、数多くの場面で使用されている。

テレビタイトルの変化
quantel(クォンテル:英)がペイントボックスのハリーやヘンリーなどのデジタルペイントやDVEと呼ばれる映像加工が行えるハードが生まれた。それによってテレビのタイトルワークが斬新なアニメーションによって作られるようになる。

(以下抜粋)日本のネット上ではFlashの台頭とともに流行し、2004年にはPerfect Promotionというweb上のイベントが催されるなど、Flashアニメーションの一派閥として大きな潮流を生み出した。Flashアニメーションの時代にはスキマ産業氏の作品「num1000」(2006年発表)に大量の派生作品が生まれたことに代表されるように、センスで勝負する映像表現の大流の一つとして数多くの作品が作られた。しかし、2005年後半から2007年頃にかけてのFlash文化の衰退とYouTubeニコニコ動画を始めとする動画共有サイト時代への移行とともに表に出る作品数は減少した。

2009年に入り、ニコニコ動画ではキネティックタイポグラフィー(KineticTypography)という文字を使ったモーショングラフィックスの一手法が注されている。

http://matome.naver.jp/odai/2131657576922929601


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