先端映像表現技術論第7回 HDR(HDRI)とIBL

HDR  HDRI
High Dynamic Range Imaging(ハイダイナミックレンジ)

最近、HDR(撮影)という言葉を見聞きすると思います。今日はそのHDRとは実際に何なのかを解説していきたいと思います。

HDRとは
High Dynamic Range
の略です。

ダイナミックレンジとは「識別可能な信号の最小値と最大値の比率」のことです。
単位はdBデシベル

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自然界にあるすべての色は非常に範囲の広い光の波長を持っています。その中で人間の目は、明るいものと暗いものを見分ける能力がありますが、それに対してカメラのフィルムや撮像センサーの記録範囲(ダイナミックレンジ)は人間の目ほど高性能ではありません。例えば、部屋の中に明るさを基準にカメラで撮影した場合、カメラのダイナミックレンジの幅を超えた部分の明るさ(上表では)曇り空より明るい部分、また月明かりより暗い部分は階調表現ができず、真っ白と真っ黒になってしまいます。これを”白トビ”、”黒ツブレ”といいます。
人間の目(網膜)のダイナミックレンジは、約80db程度
ネガフィルムで10EV
デジタル一眼レフ、ミラーレスカメラ14EVを超える
同時に撮影することによって、今までにない色深度を再現できる。

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“人間の目は「対数出力(変換)型イメージセンサ」に近いと言われます。つまり入ってくる光量が2倍になると2倍の明るさに感じるのではなく、 入ってくる光量が10倍になると2倍の明るさを感じる…ということです。”

 

押さえておきたいところは、「記録する範囲が限られている」ということです。

どのように記録するか、が大事です。その記録

フィルムの解像力 4K x 3K、11から12bit相当以上

フィルムに比べCCD(or CMOS)はダイナミックレンジが狭く,特にハイライ ト特性が弱い といいわれています。これは実際にデジタル一眼レフカメラを使ってみれば誰もが実感できます。 一方、 シャードー部に注目すれば、フィルム(リバーサル)に比べダイナミックレンジが広 く見た目以上に階調が 豊富であることもわかります。
広ダイナミックレンジという事は、高性能であることなのですが、 写真表現にとって広ダイナミックレンジが必ずしも”良”とはいえません。 広ダイナミックレンジな写真は、どちらかといえば、”メリハリの無い、眠い”絵の 印象が強く なります。もちろん、これはガンマカーブ(トーンカーブ)の作り方次第で、印象を 変える事が できます。そこで重要なのが階調の情報量(RGB各8bit,12bit,16bitとかいう指標)です。
フィルムでは、ネガフィルムは広ダイナミックレンジ(ラチチュードが広い)で、な だらかな(軟調)ガンマカーブ(トーンカーブ)をし、ポジ(リバーサル)フィルムは狭ダイナミック レンジ(ラチチュードが狭い)で、 めりはりのある(硬調)ガンマカーブ(トーンカーブ)をしています。
デジタルとフィルムの大きな違いは、フィルムは銘柄によってガンマカーブ(トーン カーブ)の 階調特性まで決められてしまっているのに対し、デジタルはガンマカーブ(トーン カーブ)を撮影者自身の判断で自由に変える事ができる点です。
bit数をむやみに増やす意味はありませんが、実際の階調の情報量が伴った16bit以上 が実現できれば、”階調表現ではデジタルはフィルムを超えた”と言える程、非常に豊富な情報量といえます。

色管理(カラー・マネージメント)
このようにデバイス毎に勝手な色を使っていると、同じデジタル画像にもかかわらず扱う デバイスによって色がころころ変わってしまうので、ICC(International Color Consortium) が色管理の統一システムを確立させました。
デバイスに依存しない絶対的な色空間にCIE L*a*b*を採用し、デバイスに依存する各々の色空間 は、CIE L*a*b*との色の対比表を細かくプロファイル化(これをICCプロファイルと呼ぶ) したのです。

色管理(カラー・マネージメント)を理解し実践する事は非常に難しい事です。
関連する専門書、インターネットサイトが多数存在しますので、ここでは 簡単な概念の紹介程度の話に留めさせてもらいます。

そもそも色管理は、一般ユーザーが熟知して使いこなすものではなく、 一般ユーザーは何も意識することなく、自動的に行われるべきシステムなのです。 しかし、現状ではまだ色管理システムが不完全である為に、一般ユーザーも 多少の知識を持って、要所要所で意識して注意しなければいけないのです。

そこで、カメラマンとして最低限知っておいた方が良いと思われるものだけを 私の独断でピックアップしてみました。
色空間にはさまざまな種類があるという事を認識する
デジタルカメラでは普及機ではsRGB、ハイエンド機ではsRGBとAdobeRGBが当面は主流となる
色管理をきちんと行うにはICCプロファイルを利用するという事を認識する
パソコンの画像ソフトでデジタル画像を扱う際にその色空間を意識する
パソコンの画像ソフトでデジタル画像を扱う際にはモニタの調整が重要となる

写真撮影のときには被写体が正しく映る適正露出をおこなうため、それ以外の部分が白飛びしたり、黒潰れしてしまう。そこですべての映像の色を再現するために、露出を数度変更して

ブランケットと言われるこの手法は

広い明暗レンジを撮影するために、シャッター速度やISO感度を変更して、複数回の露光を行うこと

これによって、今までにないダイナミックレンジをもった画像(映像)を現像することが可能になる

(オート)ブラケット撮影

カメラの設定:

a. ホワイト バランス、フラッシュ、オートフォーカスなどの手動の設定をオフにします。

b. 必要に応じてカメラを自動段階露出(AEB)モードに設定します。

i. 一連の露出数を選択します。

ii. 通常は 3 つの露出(-2、0、+2)で十分です。

iii. 1 段刻みで 5 回の露出(-2、-1、0、+1、+2)が一般的な設定です。

c. 露出優先モードで撮影します。露出優先モードにすると、一連の露出を通して被写界深度を一定にできます。

d. 連写モードを使用すると高速撮影が可能です。

e. ノイズの発生を抑えるために ISO をできるだけ低い数値に設定します。

そして、HDRを使ったCGの新しい手法をIBLまたはHDRIと呼ぶ。

HDR Light Studio 4

http://www.tmsmedia.co.jp/portfolio/hdr-light-studio/


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