先端映像技術論第3回 
アニメーション表現技法とデジタルアニメ

この講義では、アニメの制作工程がデジタルに置き換わる中でどのように変化しかかを解説していきます。元々アニメはセルアニメという伝統的な手法が長く行われていましたが、90年代になって少しずつ変化していきました。そのひとつが撮影と呼ばれる線画台の変化です。線画台は上部にフィルムムービーカメラを備え、線画台の上に背景画、その上にセル画を重ね合わせて動きをひとコマづつ撮影していくものです。昔ながらのアナログコントロールからPCなどを使うモーションコントロールへ移行し始めた。

アニメーションの歴史

世界で始めてのアニメーション
黒板にチョークで消しては描きながらコマ撮り撮影していました。
「Humorous Phases of Funny Faces」(愉快な百面相)(1906)

 

また、仕上げの工程もPCの普及によりデジタルでのペイント作業に置き換わっていった。
仕上げ、撮影の工程を中心に

NYIT(ニューヨーク工科大学)の研究

Inbetween自動中割りシステム

東映アニメーション
白蛇伝
ロトスコープを用いたアニメーション

東映動画(現在の東映アニメーション)が純日本製ソフト”RETAS Pro”の導入 「ゲゲゲの鬼太郎」(1996)で試験的に使用。その可能性を見出し、翌年からアニメの全作品をデジタルに切替えていきました。

CAPS(Computer Animation Production System) Disneyディズニースタジオが開発

ANIMO(英) 「Monkey Magic」(1997)海外向けアニメ制作
のちにToonBoonに買収

Toonz
ジブリが使用

ToonBoonStudio

http://www.da-tools.com/junk/cn25/AnalogcamStand.html

その後急速なソフトの普及により、現在は100%が仕上げと撮影の工程で行われている。

「サザエさん」が最後のセルアニメとされていたが、2013年9月で完全にデジタルへ移行しました。

 

デジタル化で何が変わったのか?

仕上げ

初期はPCの熟練が必要であったが、それも人材の育成によって解消されており、今では

撮影

撮影技師としての経験が求められたが、逆にデジタル上での慣れが必要に変わってきた。

撮影上の用語の習得やデジタル作業によって失われた表現もある。

フルアニメーションとリミテッドアニメーション
アニメーションには作画の枚数による表現の仕方が大きく分けて2つあります。今回はその2つの表現方法を紹介していきたいと思います。
その2つとは、フルアニメーションとリミテッドアニメーションのことです。
フルアニメーションとは「フルフレームでアニメーションを描く」ことで、1秒間に24コマ動画を描いている映画やアニメにおいては24コマの作画を作ることです。フルアニメーションはディズニーに代表される2Dアニメーションの歴史があります。

それに対してリミテッドアニメーションとはフルフレームではないアニメーションの手法を言います。フルフレームに対して少ない作画枚数でアニメーションを描きます。
2コマ打ち12fps 3コマ打ち8fps あるいはそれ以下
作画枚数を効率的に省力化、日本特有に進化
別セル
口パクや目パチなどパーツの一部だけが動いている場合、セルを分けることで作画のトレース部分を省力化します。それによってバンクシステム(使い回し)などと併用してトータルの作画枚数や仕上げ枚数を少なくすることでコストダウンを図ります。

日本独特の”タメ”と”ツメ”

参考文献
アニメ・特撮・SF・映画メディア読本 ジャンルムービーへの招待  浅尾典彦
単行本: 383ページ
出版社: 青心社 (2006/04)
ISBN-10: 4878923199
ISBN-13: 978-4878923197
発売日: 2006/04


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